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コスモスコラム

Vol.01 おくすり飲み過ぎていませんか?

病院や診療所などで医師から処方される内服薬は、様々な病気を治したり、安定させるために、我々には欠かせないものです。しかしながら、高齢になりいろいろな持病を持つようになると、一人ひとりが服用する薬の種類や量も増えていき、中には1日に10種類以上のお薬を服用している方もいらっしゃいます。そこで心配になるのが副作用をはじめとする悪影響です。ご高齢の方は、若い人に比べて薬の効き方が異なる(一般には効きすぎる傾向がある)、あるいは効きかたが違うため、薬を飲んだことによる悪影響が出やすい状態にあります。また、薬同士が影響し合う(相互作用)ことで悪影響がでることもあります。


A薬の副作用のため、B薬が処方され、そのB薬の副作用のためにC薬の副作用がでることがあります。このような場合、A薬を中止することでB薬もC薬も必要なくなり、体調が回復する場合があります。また、急に具合が悪くなった時に出た薬が、病状が回復した後も継続して服用していることもあります。一般的に、A病院とB診療所から薬をもらう、あるいはA病院のX科とY科から薬をもらうような場合にも薬の量が増える傾向にあります。医師同士、病院同士は、「必要性が少ない」、「やめたほうがいいかも」と思っていても、よほどのことがない限り、一方が他方の薬を中止するということが敬遠されて、全体の薬の量が増えていく場合もあります。


このように、多くの薬をのみ、そのことによって悪影響(薬物有害事象)が出る状態を最近ではポリファーマシー(多剤処方)と呼んで、厚生労働省や医学会などが、医療機関や患者さんに注意を呼び掛けております。薬の種類に上限はありませんが、6~7種類以上の薬を飲んでいる方は、それ以下に比べて、薬物有害事象が多い、転倒などの事故が多いなどの報告があります(図1)。当施設では、積極的にポリファーマシー対策に取り組んでおります。ご心配の方は、医師、薬剤師、看護師、ケースワーカーなどにご相談ください。

施設長